イギリス貴族の爵位と序列は?英語と日本語の読み方も紹介

貴族が出てくるファンタジーでは、切っても切り離せない爵位と序列の関係性。

この記事ではより物語を楽しむために、現代イギリスの貴族について紹介しています。

アニメやマンガ作品で頻出のセリフ「Yes, my lord」の爵位ごとの表現も掲載しておりますので、お楽しみに。

目次

現代イギリスの爵位・称号と序列

現代のイギリスにおける爵位と称号は以下の通りです。

なお、貴族の爵位だけでなく、平民に与えられる称号も紹介しています。

もちろん、序列は貴族のほうが上です。

貴族

  1. 公爵(こうしゃく)
  2. 侯爵(こうしゃく)
  3. 伯爵(はくしゃく)
  4. 子爵(ししゃく)
  5. 男爵(だんしゃく)

平民

  1. 准男爵(じゅんだんしゃく)
  2. 騎士爵(きししゃく)

イギリス貴族の爵位5つ

各爵位の詳細について、序列の通り紹介していきます。

知っておくと便利

貴族の敬称は爵位名につける

例えば第18代ノーフォーク公爵エドワード・ウィリアム・フィッツアラン=ハワードの場合、ノーフォーク閣下となります。

ファミリーネームであるフィッツアラン=ハワードに「閣下」をつけて呼ぶことはありません。

公爵(こうしゃく)

公爵は、イギリス貴族の序列第1位にあたります。

英語
表記
Duke(デューク)
敬称日本語:閣下(かっか)
英語:Your grace(ユアグレース)
返答Yes, your grace(仰せのままに)
世襲
制か
世襲制

すべての爵位の中で、「閣下」と呼ばれる唯一の爵位です。

「閣下!」と呼びかけがあった時点で、そのキャラクターの爵位は公爵に確定するというのはおもしろいですね。

また同じ公爵の中でも、王族公爵臣民公爵という分類があり、王族公爵のほうが立場が上です。

侯爵(こうしゃく)

侯爵は、イギリス貴族の序列第2位にあたります。

英語
表記
Marquess(マーキス)
敬称日本語:卿(きょう)
英語:Lord(ロード)
返答Yes, my lord(仰せのままに)
世襲
制か
世襲制

ちなみにドイツの貴族制度にある辺境伯は、イギリスの侯爵と同等です。

伯爵(はくしゃく)

イギリスの第4代サンドウィッチ伯爵が考案したとされるサンドウィッチ

伯爵は、イギリス貴族の序列第3位にあたります。

英語
表記
Earl(アール)
※他国の伯爵はCount(カウント)と呼ぶ
敬称日本語:卿(きょう)
英語:Lord(ロード)
返答Yes, my lord(仰せのままに)
世襲
制か
世襲制

爵位の中で、一番古くに設立されたのが伯爵です。

「歴史はあるけれど貧乏な貴族キャラ」が伯爵であることが多いのは、この由緒正しいイメージからかもしれません。

子爵(ししゃく)

子爵は、イギリス貴族の序列第4位にあたります。

英語
表記
Viscount(ヴィカント)
敬称日本語:卿(きょう)
英語:Lord(ロード)
返答Yes, my lord(仰せのままに)
世襲
制か
世襲制

英語のViscountはvis=副、count=伯爵を意味することから、「副伯爵」というニュアンスがあります。

実際に伯爵の子供が子爵を賜るケースも多いそうです。

男爵(だんしゃく)

男爵は、イギリス貴族の序列第5位にあたります。

英語
表記
男性:Baron(バロン)
女性:Baroness(バロネス)
敬称日本語:卿(きょう)
英語:Lord(ロード/男性)・BaronessまたはLady(バロネス/レディ/女性)
返答Yes, my lord(仰せのままに)
世襲
制か
世襲制/一代限りの両パターンあり

称号としてのBaronessは、女性男爵と男爵夫人のどちらにも使われますが、敬称については違いがあります。

女男爵にはBaronessとLadyのどちらも敬称として使えますが、男爵夫人にはLadyのみが使える点に注意しましょう。

また男爵家には世襲制と一代限りの両方が存在しますが、どちらが上ということはなく、同列に扱われています。

平民に授与されるイギリスの称号2つ

平民に与えられる称号2つの詳細を紹介していきます。

知っておくと便利

平民の敬称はファーストネームかフルネームにつける

例えばカズオ・イシグロ氏の場合

  • サー・カズオ
  • サー・カズオ・イシグロ

のどちらかとなります。

「サー・イシグロ」は誤用ですので注意しましょう。

なお聖職者や、イギリス以外の外国人が叙勲される場合、SirまたはDameの敬称は使わないルールになっています。

准男爵(じゅんだんしゃく)

准男爵は平民に与えられる称号で、貴族の爵位も含めて数えると序列第6位にあたります。

英語
表記
男性:Baronet(バロネット)
女性:Baronetess(バロネテス)
敬称日本語:卿(きょう)
英語:Sir(サー/男性)・Dame(デイム/女性)
返答Yes,sir / dame(仰せのままに)
世襲
制か
世襲制

日本語での敬称は男爵までと同様に「卿」ですが、英語ではSirまたはDameに変わります。

また准男爵は子供が受け継げる、世襲制の称号です。

騎士爵(きししゃく)

騎士爵は平民に与えられる称号で、貴族の爵位も含めて数えると序列第7位にあたります。

なお、授与対象はイギリス国民だけでなく、外国人も含まれます。

日本人ではファッションデザイナーの三宅一生氏や、トヨタ自動車会長だった豊田章一郎氏などが授与されています。

英語
表記
Knight(ナイト)
敬称日本語:卿(きょう)
英語:Sir(サー/男性)・Dame(デイム/女性)
返答Yes,sir / dame(仰せのままに)
世襲
制か
一代限り

英語でKnightとされる騎士爵ですが、日本語訳が多いことも特徴です。

  • 騎士爵
  • 士爵
  • 勲功爵
  • 勲爵士
  • ナイト爵

民間団体がKnightに似た名称の民間称号を授与しているケースもあるため、混同しないよう注意しましょう。

よくあるQ&A

公爵以外の日本語での敬称はすべて「卿」でいいの?
女性も男性も爵位を持つ本人は、公爵以外すべて「卿」でOKです。
准男爵・騎士爵も、日本語にしてしまえば同様に「卿」です。
英語表記ではLordやSirを使い分けなければいけないため、物語の世界観にあわせて使い分けてみてくださいね。

まとめ

この記事では貴族の爵位・平民の称号と序列についてまとめました。

正しい情報を載せるために、調べた上で記事を作成しておりますが、誤りがありましたらコメント等でご指摘いただけると幸いです。

参考資料

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